200年前、神月町の神が死んだ。
誰かがその隙をつき「喰鬼」と呼ばれる鬼を操り、神月町を襲わせた。
鬼が暴れたのは「東鬼家」のせいだと考えた住人たちは東鬼家の長男以外の人間を惨殺した。
長男は暗い洞窟に幽閉されていたが、ある日何者かによって外へ出される。
その結果、東鬼家の長男は神月町の住人達の多くの命を奪ったのだ。
その東鬼家長男は「茅野家」の巫女によって封印される事になる。
「いつの日か、あなたの憎しみが消え、穏やかな心を取り戻せますように」
by.守神物語
あの日から喰鬼は神の子である「神月一族」を襲い始めた。
喰鬼は霊力を喰らう鬼。
神月一族を喰らい、眠りにつき、再び数十年後に目を覚まし、神月一族を喰らい、眠りにつく。
しかし、その間隔は徐々に短くなっていった。
その結果、喰鬼は神月一族をも滅ぼす事に成功してしまったのだ。
そうしてこの町から月の神は全て消えた。
「月は失われた。もう二度と月は我々を照らす事はない。待つのは絶望だけ」
by.神月物語 第一章
とある少年の前にひとりの髪の長い女が現れた。
彼女は少年に取り引きを持ちかけたのだ。
強い力を与える変わりに、神月町を滅ぼすためのコマになってほしいと。
少年はその言葉を受け入れた。
大切なものを守るために。
「今の僕では、大切なものひとつ守れやしない。ならばその手を取り、力を手に入れるしかないだろう」
幼い頃の記憶
「茅野神社」の本殿よりももっと奥に暗い地下牢がある。
そこには昔封印されてしまった悪い化け物が封印されているらしい。
その封印を解いてしまえば
その地下牢から出てくるのは果たして
人を襲う悪い鬼か、それとも心の優しい人間か。
「俺がここから出た後、どうか、きみの手で、俺を」
by.守神物語
ある日、ひとりの少年の前に死んだはずの神が枕元に立っていた。
少年は自分の過去を知るために神月町へと訪れる。
そこに待ち受けていたのは抗えない運命だった。
だけどそんな運命でさえも希望へと変えるのが、この町を照らす満月の明かりだ。
「俺が再び、この町を照らす月明かりになろう」
by.神月物語 第壱章
この町から月の神が消えた時、同時に姿を消した狐がいた。
あんなにもこの町を想っていた狐が姿を消したのだ。
その理由は何か、その狐は今どうしているのか、狐は一体何を知っているのか。
その真実を知るためには
「お前は、お前はこの町を、俺たちを裏切っていたのか…!」
by.神月物語 第弐章 -前編-
裏切り者というのは案外近くにいるのかもしれない。
とある日に姿を現したのはひとりの少年。
彼はあやしい笑顔を浮かべながら取り引きを持ちかけてきたのだ。
その日、二人は「利害関係」になった。
敵同士だとしても、共通の敵がいるのなら、今は味方なのだから。
「それでも俺はお前を裏切ったりしない。裏切られたとしても」
by.霊査物語Another編